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2019_11
23
(Sat)00:58

本という積み重ね

久しぶりに図書館に行ってきた。
本くらい買ってもいいとは思うのだが、どうしても既知の作家に偏る傾向があるので未知を求めて足を運ぶ。
書棚に懐かしい作家名を見つけて何の気なしに借りて読んだら「おお…!」となったw
森博嗣『孤独の価値』である。

森先生が作家活動を辞めておられたとは知らず、犀川&萌絵シリーズはどうなったのかと思っていたらまさかの完結。
『すべてがFになる』以来拝読していたのに、見届けなかった…
いやさあ、犀川先生が結婚とかさあ…←

さておき、『孤独の価値』はとても面白かった。
”孤独とは自由の獲得である”という一節を見つけて、ここ数か月漠然とつかめずにいた確証を得たように感じた。
今まで僕はずっと自由と尊厳を求めて走ってきた。走る過程で僕は人々を棄て、つながりを棄て、地を棄てた。
その結果、ウォール・マリアを飛び越えたかの如き未知の景色を見つけることができた。
ああそっか、僕は何にも拠らずここに居ると。

とは言え疑い深い性分ゆえに(本当に自由なのか?)と幾度も考えた。
けれど確認する術もないまま、己の立ち位置を信じきれないもどかしさを持て余していた。
何にも拠らない自分を標榜しているプライドもあって、自由の真偽を他者に確認して貰うのは違うんじゃないかと悶々する日々が続くなかで、この本に出会えたのは僥倖だった。
若かった頃に出会った作家や本に再び向き合うことは、当時気づかずにいた言葉や表現に出会えることでもある。
出会い直して、あの時見過ごしたものを見つけて、さらに新しいものにも出会える。
単純に”本ってやっぱり面白いよなあ”と幸せになれるのだ。

神林長平『ライトジーンの遺産』『戦闘妖精・雪風』なども、幾度となく読み返した。
特に『ライトジーン…』の方は21世紀になって読むことに途轍もない有意性がある気がしてしまう。
臓器崩壊という根幹的不安に苛まれる人類、人類存続のため急速に開発成長していく人工臓器技術。
莫大な利益と高度な技術を争う人工臓器メーカー各社、抜きんでたライトジーン社が生み出した人造人間。
しかし独占阻止のためにライトジーン社は解体され、かくして2体だけの人造人間は”遺産”として世界に紛れていく――

ここで描かれる人造人間2体―コウとMJ―ふたりは兄弟だからと言って過剰に繋がらない、相手をあてにしない。
むしろ生き方自体はまるで違って見える。
人類社会における2人は言わば異者だが、自分たちを人類から殊更切り離すこともない。
2人に共通するものはひとつ、”自由たれ”なのだ。
買った当時は気づかなかったが、「ライトジーン」って英語表記すると意味…!!マジか…!!ってなるw
更には「ライトジーン」の「遺産」が「Heritage」と言うね!すっげー遠回しな皮肉かな!?

…途中で完全に森先生からズレていったけど、本は面白いんだなあと再確認、再認識。

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